工房作品 二〇〇五 

皇紀2665年に中華人民共和国広東省にある私の工房で
魂を込めて一つ一つ攻玉し、生まれた玉達をご紹介致します。

奴奈川硬玉はもちろんのこと
日本では見られないような美麗なミャンマー硬玉も
積極的に作品にして行きます。
「神駆ける」状態で魂の叫びに従い、我が大王のため
魂を研ぎ澄まし、神の玉を生んでまいります。
大神神社、奴奈川神社の御札に護られた異国の工房にて
魂を入れ込んだ作品をどうぞご覧ください。




一、緬甸硬玉縄文大珠
(全長7.80p)


ミャンマーから中国雲南省に個人の手で渡ってきた流麗な文様
を持つ非常に美しい硬玉を縄文の大珠に砥ぎあげました。
奴奈川神社、大神神社の御札に護られた工房で毎日少しづつ攻めました。
道具も満足に揃わない中、工夫を凝らし魂を封じ込めました。
穿孔は管錐穿孔、成形、研磨、仕上げは全て中国製砥石で行い光は敢えて抑えました。
あたかも縄文の遺跡から出てきたようなその光と「威」を感じてください。
ただただ遠く3000キロの彼方から奴奈川を思い生み出した大いなる大珠です。
オンファス輝石、ヒスイ輝石、角閃石の織り成す姿は畏れさえ感じます。
この玉には名前があり命名「カムイノミ」(祈り)といいます。
千葉県、M様所有
 



二、緬甸硬玉勾玉
(全長4.50p)

中国雲南省から渡ってきた透明度の高い硬玉を弥生勾玉に砥上げました。
上品な白、緑、そして高い透明度と非常に美しい玉に仕上がりました。
技術的には成形、研磨は従来通り、穿孔はカーボランダムと竹棒錐を
使い両側X字穿孔にて魂を入れ込みました。
道具の作成に非常に難儀しましたが、ここ中国でも納得出来る穿孔が出来ました。
光にかざすと内包されたオンファス輝石の緑が映え、
非常に神秘的な姿を見せます。その姿は草原に佇む乙女のごとき美しさです。
この勾玉に込められた奴奈川の「威」を感じていただければ幸甚です。
この玉には名前があり命名「南越乃清漢」(なえつのせいかん)といいます。
千葉県、M様所有





三、緬甸硬玉勾玉
(全長4.70p)

薄いアップルグリーンの透明度の高い硬玉を弥生の大勾玉に砥上げました。
日光を受けて緑に透けるその姿は残雪の中から芽吹く新緑の如きさわやかさです。
中国広東省の工房と、日本の工房の二カ国にまたがって生み出した作品です。
穿孔は管錐穿孔、仕上げに今年の新技術を使い、その艶肌は乙女の如き美しさです。
この玉に込めた玉作 工人の「威」を感じていただければ幸甚です。
本作品の最終仕上げは日本の工房です。
この玉には名前があり命名「春風」といいます。
中華人民共和国湖南省 李様所有





四、緬甸硬玉勾玉
(全長3.95p)

濃緑色硬玉から弥生時代、奴奈川で作られたであろう勾玉を生み出しました。
その姿、工程もあくまで古式に、奴奈川砂岩を用いて魂を入れ込みました。
極めて美しい緑と透明感、日光を受けて透けるその姿はまさに神の領域です。
穿孔は両側棒錐穿孔で魂入れを行い、その仕上げに新技術を使ってあります。
上代奴奈川の匠になりきって仕上げた玉作 工人の自信作です。
本作品は日本の工房にて生み出しました。
この玉には名前があり命名「神籬」(ひもろぎ)といいます。
千葉県、M様所有





五、奴奈川青石勾玉
(全長3.53p)

奴奈川の青石(貴産な青い蛇紋岩)から弥生勾玉を砥ぎ出しました。
小柄な玉ですが、深い海色、その流水紋はまるで冬の奴奈川の海そのものです。
この石は場所によって硬さが違う為、成形に非常に難儀しましたが、
絹目の光沢とその流水紋を持つ「威」十分な勾玉に出来たと思います。
この勾玉には荒々しい海神の魂と奴奈川の海人の魂が込められています。
硬玉より貴産な奴奈川青石の「威」をかんじてください。
この玉には名前があり命名「海龍」(はいろん)といいます。
埼玉県、K様所有






六、緬甸硬玉大珠
(全長7.34p)

美しいオンファス輝石を持つ硬玉から長者が原の大珠を砥ぎ出しました。
高い透明度、透過光で見せるその姿は、まさしく神の領域です。
遠く3000キロ彼方から奴奈川を思いひたすら攻めました。
技術的には従来技法ですが、研磨に中国の竹を用い磨き込むことで
非常に美しい艶を出すことが出来ました。
玉作 工人の込めた「威」とこの石の持つ「威」が相まって
極めて高い「威」を中から強く放っています。
この大珠に込められた奴奈川の「威」を感じていただければ幸甚です。
この玉には名前があり命名「緑叶」(ルゥイエ)といいます。
千葉県、M様所有






七、緬甸硬玉大珠
(全長6.90p)

桜色の美しい硬玉から縄文後期の大珠を砥ぎ出しました。
非常に緻密な組織構造をしており攻玉には難儀しましたが、仕上がりは
たいへんよくなりました。光源によってその色はさまざまに変わり
白から紫に変化します。頭部と腹部に翠を持ち、磨きぬかれたその艶肌
からは非常に強い女性の「威」を感じます。
透明度も高く、ろうそくの明かりを通して見るその姿はまさに神の領域です。
この大珠に込められた奴奈川の「威」を感じていただければ幸甚です。
この玉には名前があり命名「紫丁香」(ズゥディンシャン)といいます。
千葉県、M様所有





八、緬甸硬玉丁字頭勾玉
(全長3.87p)

白に若草の翠が美しい硬玉から弥生末期の勾玉を砥ぎ出しました。
その細工は両側V字穿孔、肌はあくまでたよやかに。
敢えて磨きこむことは止め、上代と同じ光を目指しました。
出土品が持つ絹の光の再現に成功しました。
その光は本当にやさしく本当に上代の光を放ちます。
小ぶりな玉ですが三条の丁字、内から放たれる「威」はたいへん高いです。
この玉には名前があり命名「神仙」(シェンシャン)といいます。
千葉県、M様所有

 




九、緬甸硬玉異形勾玉(さる玉)
(全長4.53p)

美しい翠の硬玉から「さる玉」を砥ぎ出しました。
初めて玉作 工人の満足がゆく「さる玉」が磨きあがりました。
工法はあくまで古式に、成形、磨きに膨大な時間をかけました。
今回も上代の光を目指し、光は敢えて抑えてあります。
光源の角度によってヒスイ輝石の結晶が輝き、とても神秘的です。
砂岩と石英砂が生み出す上代の「威」を感じていただければ幸甚です。
東京都、N様所有
  




十、緬甸原石縄文大珠
 ★
(全長9.57p)

硬玉、角閃石、コスモクロアが混在する原石から縄文末期の大珠を
砥ぎだしました。極めて明るい緑が映え、たいへん神秘的です。
光は敢えて押さえ、しっとりとした艶を生み出しました。
猛烈な鮮緑が写真でうまく表現出来なくて残念です。
その「威」は他とは異なっており、この「威」を抑えるのは
大変かもしれませんが、大変な力を持っていると玉作 工人は思います。
神の力を感じていただければ幸甚です。







十一、緬甸硬玉縄文玉斧
(全長7.71p)

ミャンマーの極めて美麗な硬玉から古代中国の将軍のしるし「玉斧」
を砥ぎだしました。切っ先はあくまで鋭利に、その姿は流麗に、
研き込みは限界まで、深山の湖の水面の如く、あくまでしっとりとそして透明に。
奴奈川神社、大神神社の御札に護られた工房で大変な時間をかけ攻めました。
密度の濃い光と鋭い切っ先が生み出す「威」を感じてください。
淡い紫、翠、白が織り成す美しさはまさに神の領域で畏れを感じます。
この玉には名前があり命名「紫珠」(ジィズウ)といいます。
千葉県、M様所有
 



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