奴奈川の底なる玉


奴奈川赤石より砥ぎ出したる赤龍の玉。
全面に真紅の流水紋を持ち、まるで龍の心臓の如く猛々しい恐るべき「威」を持つ勾玉です。
身から迸る赤の威力、血脈の様に走るインクルージョンは命の胎動を感じます。
光源により姿を変え、見る者を強引に納得させる「威」には畏怖を覚えます。

攻玉は正攻法で攻め、流水紋の脈目を損なわない様、難儀いたしましたが
荒ぶる猛々しい大地の脈動が文様として現れ、あたかも鼓動する心臓を
めぐる血流の如く奴奈川赤石の持つ魅力を出す事が出来ました。

この石は長く我が家の神棚にあったのですが、やっと攻玉の許しが出たように感じました。
内に秘めたる「威」は大地の胎動たる力を持っています。


命名
健御名方富命彦神別
(たけみなかたとみのみことひこかみわけ)

[全長38.50ミリ、最大幅17.2ミリ、比重2.80]













以下一枚 光源:日光

 

以下二枚、光源:蛍光灯







地祇乃御魂


玉作 工人  拝