沼名河之 底奈流玉
奴奈川硬玉垂玉
「草那藝之珠」
(くさなぎのたま)
奴奈川硬玉による古式垂玉。
形状は我が国において最も早く出てくる形状であり、主に縄文、弥生時代に多く見られます。
威信財として使われ、翡翠による垂玉は主に北陸地方の攻玉遺跡で作られて、
全国津々浦々に広く伝播いたしました。
この玉は縁あって海岸にて下賜された転石から砥石の流れに添って現出した垂玉であり、
国難ともいえる状況に打ち勝つための神籬として、声楽家師範の守りになるべく
深山の工房にて魂を込め砥石を滑らせて砥ぎ上げました。
緑、黒、白の硬玉が混然一体となって流紋を見せて、光源によってその姿を変えてゆきます。
持つ「威」は古の護りの力。
遠く昔の人々も同じことを思って石を割り、穿ち、磨いたのだと感じます。
自然の色彩、星雲の如き煌きで、弥栄あれ。