工房作品 二〇一六 



皇紀2676年、玉作 工人は我が国の伝統、文化を守るべく大神様の御加護を
いただきながら、あくまで古式に手仕事の技を磨きつづけます。
それは、いにしえより続く我が国ものづくりの流儀、そして魂なのです。

見えない「何か」によって繋がれたご縁、その御縁を大事にし、
上古の人達に倣い、石を穿ち、磨き、持たれる方の護り、
そして魂の依代となれる玉を砥ぎ出してまいります。

「玉は魂の依代であり、持たれる方の「威」を守護する器」

あくまで自然体で、石の意志に決して逆らわず、砥石との調和を通す。
それが「弥栄の風」を運べることを信じ、いにしえの「技」を追い続けます。

本年も奴奈川の原風景、そして我が国の美しい自然、文化、歴史を守りつつ
「玉作」という「技能」を通して日本文化の源流を守り続けて行く所存です。

大神神社、奴奈川神社、貫前神社の御札に護られながら
匠の手仕事のみで魂を入れ込まれた作品をどうぞご覧ください。




一、奴奈川紫硬玉勾玉 一対
古式御頸珠攻玉

「台与乃紫龍」

[勾玉全長30.0ミリ、29.0ミリ  最大全幅10.8ミリ]

奴奈川紫硬玉より「台与乃御頸珠」の護りとなる勾玉を砥ぎ出しました。
この玉は、対で一組となり親玉を守護いたします。

持つ「威」は奴奈川の神籬で祈りを捧げる巫女ででございます。、


   

神豊受大神護龍






二、奴奈川軟玉勾玉

「山添乃山河」
(試七型)
[全長36.3ミリ、 最大全幅12.3ミリ]

透明度の高い濃緑原石より新しい技と砥石を用いて攻込んだ古式勾玉です。
研磨工程で通常の砥石、研磨砂ではなく、新たな研磨砂を用いて砥ぎ出しました。
結晶組成を損なわないため、独特の肌が出て光を高い密度で反射します。
山添の地を流れる自然の山河でございます。


  




三、奴奈川青硬玉丁子勾玉 一対 

「大和之心」

[全長41.9ミリ、 最大全幅16.5ミリ]

青き水色の硬玉より一対の丁子勾玉を砥ぎ出しました。
一対で一つの魂を宿す。
敷島の大和の国は言霊の幸はふ国ぞ真幸くありこそ
青く高い青空、美しく流れる清流、山々をわたる微風。
持つ「威」は大和国の麗しき自然でございます。

  


  





四、奴奈川硬玉丁子大勾玉

古式御統攻玉、親玉


[全長48.8ミリ、 最大全幅19.1ミリ]

奴奈川の透明度の高い硬玉より大きな丁子勾玉を砥ぎ出しました。
その肌が見せる光はあくまで繊細且つ妖艶に、美しい奴奈川の春を思わせます。
持つ「威」は深山を駆ける大いなる武人の胸に煌く魂でございます。
この玉は古式御統「
八尋叢雲之神魂」の親玉をつとめます。
宮城県、H様所有
  




五、奴奈川青硬玉丁子大勾玉

古式御統攻玉、脇玉

[全長44.0ミリ、 最大全幅17.5ミリ]

奴奈川の青き硬玉から砥ぎ出したる丁子の大勾玉。
いにしえの空、海、川をそのまま固めたような風情を持ちます。
持つ「威」は高志国の麗しき自然でございます。

宮城県、H様所有
  




六、奴奈川紫硬玉丁子勾玉

古式御統攻玉、脇玉

[全長35.2ミリ、 最大全幅14.5ミリ]

奴奈川の紫硬玉より丁子勾玉を砥ぎ出しました。
淡く透過する紫、ほのかな緑、雪のような白を纏い、絹の光を放ちます。
持つ「威」は嫋やかなれど強き巫女の心でございます。

宮城県、H様所有
  




七、奴奈川硬質軟玉さる玉

古式御統攻玉、締玉


[全長34.6ミリ、 最大全幅15.0ミリ]

数年ぶりに見つかりし美しい硬質軟玉から締玉を砥ぎ出しました。
緻密な組織が攻玉を阻みましたが、非常に美しい艶肌が現れました。
持つ「威」は深山の原生林をわたる神気であり、御統締纏めの威力でございます。

宮城県、H様所有
  




八、奴奈川硬玉丸玉、奴奈川青石管玉

古式御統攻玉、丸玉、管玉

[丸玉直径13ミリ、 管玉全長21.5ミリ 直径13ミリ]

古式にて御統のすばりに用いる丸玉と管玉を拵えました。
本麻にて全てを連ね、すばることで御統となります。

宮城県、H様所有
  




九、奴奈川黒硬玉丸玉、奴奈川青石管玉、丸玉手纏

「倭青垣東山乃神威」

奴奈川の青石、黒硬玉、より砥ぎ出したる、いにしえの手纏。
全てを「手」のみで作り上げ、その器に神威を賜る。
「技」を生み出す匠の腕をいにしえの神威を賜り御護りいただいています。

  

倭青垣東山乃神威





十、奴奈川紫水晶線刻勾玉
「山添乃紫霞」
(試八型)
[全長20.5ミリ、 最大全幅11.1ミリ]

攻玉における奴奈川技を探求し、いにしえの職人に一歩でも近づき、
迫るべく、敢て劈開が多く硬くて脆い水晶で、手攻玉の限界の大きさに挑みました。
深い抉り、深い線刻、表面の肌は有機物工具と砂のなせるものなのです。

  




ご興味のある方はお気軽に連絡ください。


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