沼名河之 底奈流玉
大日霊女御手纏
「奴奈川青硬玉麗威手纏」
「天空広大」
天、空、広、大、という壮大な四つの字を集めたこの銘があらわすものは
天と青い空。無限の力と広がり。
明るくおおらかな光とよろこび。すべての源、宇宙。
またこの美しい手玉の水色に、生命を清め、潤す 「水」を感じれば、
天空から慈雨となりて地に降り、
早瀬に集いて海へ向かい、
大海から天空に上りて再び慈雨となる
広大な水のめぐりの力を感じることができます。
天、空、水。
「天空広大」は手玉の水色に感じるものに応じて、
広く大きく、姿を変えて
さまざまな麗しき威を放つ、よろこびの手玉です。
(上記は所有者様命名の銘の持つ意味でございます)
二つの親玉は魔除けの二丁三重線刻と神籬の上丸型異形管玉からなります。
棗は4世紀初頭の隅丸俵型十個で組み上げてあり、
全てが奴奈川産の青硬玉からなる神の手纏でございます。
「湧氣清明」へ
大日霊女御手纏
2019年今上陛下のご即位の礼(剣璽等承継の儀)を通して、
我が工房にて足掛け二年を費やし拵えました神手纏でございます。
頑固一徹、玉作工人が手塩にかけた玉作技能の粋を集めた
手纏の「威」を感じていただければ幸甚に存じます。
玉作 工人 拝