沼名河之 底奈流玉


大日霊女御手纏

「奴奈川青石、青硬玉
寿威手纏」

「湧氣清明」



線刻を持つ青石から湧く氣は、勇氣と湧喜。
地に満つるものを大いなる力でうるおし満たし、
そこから湧きいでる喜びが 澄んだ空の大氣を輝かせ、
その清明な光が再び地の生命に貴き氣を満たす。

この銘があらわすのは、そんな貴き氣と喜がみなぎる
力、命、光が湧きいずる様子。

またこの手玉のうつくしいふたいろ、
青硬玉の色に「青空」を感じれば、
五条線刻の青石には緑豊かな「国土」。

多くの潮がめぐる「大海」を青硬玉の色に感じれば、
地の底なるマグマを思わせる赤い筋が入った青石には「大地」。

「天空広大」と「湧氣清明」を一対の手玉として感じれば、
「天空広大」は天、「湧氣清明」は地。

力、命、光。
空、海、地。
「湧氣清明」も変幻自在、
玉の色に感じるものに応じて力と護を与え、
清く明るい威を放つ、ことほぎの手玉です。 

(上記は所有者様命名の銘の持つ意味でございます)

赤い鉄石英の流れを持つ奴奈川貴重水紋青石を魔除けの親玉にし、
その脇の守りを線刻棗玉二珠で固めた、魔除けの手纏です。

特に青石の五条線刻は古代の巫女の魔除けであり、赤い流水からは
大きな力を感じ取れ、正に「奴奈川の底なる玉」と感じます。

全て奴奈川産の青硬玉、貴流水紋鉄石英青石からなる神の手纏でございます。






































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大日霊女御手纏

2019年今上陛下のご即位の礼(剣璽等承継の儀)を通して、
我が工房にて足掛け二年を費やし拵えました神手纏でございます。


頑固一徹、玉作工人が手塩にかけた玉作技能の粋を集めた
手纏の「威」を感じていただければ幸甚に存じます。



玉作 工人  拝