工房作品 二〇二一 




「玉は魂の依代であり、持たれる方の「威」を守護する器」

あくまで自然体で、石の意志に決して逆らわず、砥石との調和を通す。
それが「弥栄の風」を運べることを信じ、いにしえの「技」を追い続けます。

大神神社、奴奈川神社、貫前神社の御札に護られながら
手仕事のみで魂を入れ込んだ作品をどうぞご覧ください。


一、奴奈川青色硬玉曲玉

神祖瀬織津比咩御魂」
(かむろぎせおりつひめのみたま)

[全長28.5ミリ、最大幅10.0ミリ]

奴奈川河床より下賜されし青翡翠より神祖乃曲玉を砥ぎ出しました。

青翡翠としては非常に透明度が高く、一部は青く透け通ります。

非常に緻密な翡翠結晶組成によりその透明度が現れ、
通常の青翡翠とは強靭さ、堅牢さが極端に異なります。

持つ「威」は奴奈川の水が持つ精霊。瀬に坐す穏和な比咩でございます。






群馬県、S様所有


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 二、奴奈川濃緑硬質蛇紋岩異形曲玉

神祖宇摩志麻遅尊
(かむろぎうましまじのみこと)

[全長36.0ミリ、最大幅15.0ミリ]

極めて密度の高い奴奈川濃緑蛇紋岩より異形曲玉を砥ぎ出しました。

濃緑の肌は瑠璃光沢を放ち、光源によって全く姿を変えます。

持つ「威」は太刀を佩いた武人の魂でございます。







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三、奴奈川硬玉縄文勾玉

奴未加波乃猟男」
(ぬまかはのさつお)

[全長39.8ミリ、最大幅13.5ミリ]

奴奈川河床より下賜されし翡翠より「縄文猟人」を砥ぎ出しました。

薄緑色に黒、緑、白を持つ硬玉で、極めて強靭な材です。

打撃破砕、鹿角剥離を行い砥石による整形研磨実施。

穿孔は管錐と弓を用いて摩滅穿孔し、面を硬玉粉と竹砥で取りました。

持つ「威」は奴奈川縄文人の強き魂でございます。








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四、奴奈川濃緑硬質蛇紋岩手纏

神祖布留乃生魂
(かむろぎふるのいくたま)

[二丁相向六重線刻親玉、湾曲管玉 七個組]

極めて密度の高い奴奈川濃緑蛇紋岩より手纏を砥ぎ出しました。

親玉には台形頭に線刻を刻み、湾曲管玉は筋砥と丸山砥を使い整形し
各段砥石で砥ぎ込み、穿孔は整形後、平錐一括穿孔を実施しました。

 弧を描いて湾曲する管玉に穿孔を行うことは管玉整形では最高難度
となり、技法再現に大きな時間がかかりました。


持つ「威」は布留の魂。大いなる威力でございます。








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五、奴奈川貴流水紋青軟玉親子曲玉

神久路保乃大神
(かむくろほのおおかみ)

[全長46.0ミリ、最大幅34.0ミリ、最大厚12.5ミリ]

この親子曲玉は非常に珍しい青く紅い脈を持つ軟玉から砥ぎ出した玉で
「渡津海乃龍威」と同じ原石からなる兄弟珠です。

結晶組成は極めて堅牢、砥石砥込みの塩梅如何で
脂肪光沢、ガラス光沢、双方の表情を見せます。

持つ「威」は上野国守護の大いなる神威。

「疫病退散」の願いを心に、ひたすら砥ぎ込みました。







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六、大倭紫水晶丁子弓型大曲玉

神厳霊峰乃紫石
(かむいかつちのほのしせき)

[全長50.0ミリ、最大厚15.5ミリ]

この曲玉は頭に透明部、胴に薄紫部を持ち、それが互いに流れ合う形で
一体化し、内包されたインクルージョンと虹色の光彩によって、
光源の種類、当たり方によって全く異なる姿を現します。

本原石はこの作品をもって終了となり、水晶攻玉としての
基礎技能再現は出来たと思います。

持つ「威」は夏の夕刻に現れる雷乃峰の日霊神であり、
その紫艶な姿の中に大倭巫女の眼を持ちます。







愛知県、M様所有

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いただいたご評価とご感想
(掲載ご了解済です)


 この紫水晶の大曲玉との出会いは運命的な感じがします。

この夏に初めて行った出雲大社横の古代出雲歴史博物館で出土品の
紫水晶の勾玉に魅せられて以来、その姿が頭を離れずにいたからです。

出雲には沢山の翡翠や碧玉などの素晴らしい玉があるのに、紫水晶から目が離せませんでした。

そんな時にこの丁子の大曲玉を見てどうしてもお迎えしたくなったのです。
玉が私を呼んでくれた気が致します。
製作から3〜4年程の間、誰の元にも行かず私を待っていて下さったのだと思っています。

 木箱を開ける前から、その威圧感は凄く感じました。
 その大きさ、圧倒的な弥生後期から古墳時代前期の完成された造形、
日本の紫水晶の持つ控えめな美しさ。

 『大変な何者かに来て頂いた』という感じでした。
無生物では無く気配のある何者かと感じました。
 手の上に乗せて重さを確かめたり、光に透かして模様を眺めていましたが、
感激はしてもどうにも落ち着かなかったのです。

 翌日に正絹の紐を通して首から下げて胸元におさまった時、
初めてしっくり来て自分と一体になった気がしました。
日に日に紫の色が濃く感じられる様になり、
私の中でいつも近くに置いておきたい存在になっています。

 私は普段、従業員さん達や大勢の方の安全や生活を預かっています。
プレッシャーで心が揺れる事もありましたが、
この曲玉との出会いで、今は心がホッとできています。

 数日前に節分行事の豆まきにてこれを胸に下げて行いました。
その際私の蒔いた豆に特別な力を頂いたような気がしました。

 今度はこちらもこの『神厳霊峰乃紫石』に恩返しをしなければと思っています。
長いお付き合いになりそうです。



縁とは本当に不思議でございます。

言われる通りこの玉は長い間、M様を待っていたのだと思います。
深山にある工房の神棚でずっと「威」の合う方を。

水晶玉作技法として砥ぎ出し研磨、小径打撃穿孔、丁子線刻、仕上研磨まで
完全古式にて現在の玉作工人の最高技を用いて生み出しました。

M様の「護り」として末永くよろしくお願い申し上げます。

奴奈川の玉匠として今後も精進いたします。
ありがとうございます。

「頑固一徹」
玉作 工人 拝









七、奴奈川青色硬玉曲玉群

沼河乃高天
(ぬまかわのこうてん)

[全長17.5ミリ~11.5ミリ 最大幅8.6ミリ~2.5ミリ]

奴奈川河床より下賜されし青翡翠より曲玉群を砥ぎ出しました。

古の技法を踏襲し、最小の玉は12ミリを下回ります。

持つ「威」は沼河の爽快な青空、巫女の神籬でございます。







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